Seedでは、「つなぐこと」を大切にしています。体も、暮らしも、地域も――良いものは手から手へ、想いと一緒に未来へ渡していきたい。
先日、富士山のふもと・白糸地区で長年受け継がれてきた在来きゅうり「はんじろう」の苗を、Seedで配布しました。この“はんじろう”は、高齢化が進む中で種をつないでくれる人が少なくなってきている、とても貴重な在来野菜です。
今回の苗配布は、「先人たちが残してくれた良きもの、良きことを受け継ぎ、次の世代につないでいく」というSeedの理念を体現する取り組みでもあります。正直に言えば、私自身は野菜作りのプロではありません。でも、だからこそ思うのです。自分ひとりで頑張るより、Seedに集まる皆さんや地域の方々と一緒に、“命の循環”を楽しみながらつないでいく――それこそがSeedらしいやり方だと。
現代では多くの野菜が自家採種されず、毎年タネを買うのが当たり前になっています。でも本来は、「命が命をつなぐ」自然な循環こそ、未来に残していきたいものです。今回の苗が、家族や仲間とのちょっとした話題になったり、「種ってなんだろう?」「命の循環って?」と考えるきっかけになれば嬉しいです。
野菜作りに自信がなくても、「なんか面白そう」「ちょっとやってみようかな」と思えたら、それで十分。Seedはそんな小さな一歩を全力で応援します。うまく育たなくても、一緒に“つなぐ人”になってくれることが、何より嬉しいのです。今回の「はんじろう」の苗は無償でお渡ししました。
そして今後は、「種をつなぐブース」を設置予定です。ここでは、育てた苗の種を持ち寄ったり交換したりできる場を提供し、命をつなぐ循環をさらに広げていきたいと思っています。
Seedでのこうした活動を通じて、身近なところから命の循環や地域のつながりを感じてもらえたら嬉しいです。